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これは新刊なのか、復刊と言った方がいいのか……。新潮社から1997年に刊行され、その後2007年に新潮文庫に入りましたが、長く品切れになっていた渡辺茂男さんの『心に緑の種をまく 絵本のたのしみ』が、岩波現代文庫で復刊となりました。
ご自身の子どもの頃のことや、子育ての体験、そして児童文学者としての目を通して語られる作品論(“論”なんて堅苦しい言い方は、この本には向きませんが)は、どんな絵本が子どもの“心に緑の種をまく”ものなのか、具体的に示してくれます。よく知っている絵本でも、渡辺茂男さんのやさしい言葉で綴られた解説を通すと改めて見えてくるものがあるのではないでしょうか。子どもと本に関わる人たちは、この機会にまたぜひ読み直してほしい1冊です。

『心に緑の種をまく 絵本のたのしみ』渡辺茂男著/岩波現代文庫 1220円+税