ベスト👍  ノンフィクション
『故郷の味は海をこえて 「難民」として日本に生きる』
安田菜津紀 著・写真
ポプラ社 刊
2019年11月 発行
本体1,400円+税
231ページ
対象:小学校高学年以上

「故郷の味」と生きる道

表紙で満面の笑みを浮かべ、おいしそうな料理を紹介するのは、ミャンマーの夫妻。
故国で警察から命を狙われ、日本で難民認定を受けた後、東京でミャンマー料理店を営んでいます。—―なぜ、故国を離れなければならなかったのか? どうやって日本にたどり着いたのか? 6つの国の人々がたどってきた「道のり」をフォトジャーナリストの著者が「料理」という切り口で紐解きます。

自分とは縁遠い存在と感じがちな「難民」ですが、「故郷の味」というキーワードは読者との距離をぐっと縮めてくれます。ふらっとそれぞれの店を訪ねて、おしゃべりをしながら、自慢の「故郷の味」を堪能したくなりました。

コロナの中で、お店の経営もきっと大変だったことでしょう。ご無事でありますように。必ず食べに行きますよ!

クリーンヒット⚾  絵本
『ランカ にほんにやってきたおんなのこ』
野呂きくえ 作 
松成真理子 絵
偕成社 刊
2020年4月 発行
本体1,300円+税
32ページ
対象:幼稚園年長以上

違う国からやってくるということ

「わたしは ランカ 10さい。ここが わたしの くに。いちねんじゅう あったかくて もりや かわが いっぱい ある くに。」

――やがてランカは、日本で働くことになった両親に連れられて、日本の小学校にやってきます。言葉も習慣もまったくわからず、戸惑い、「ちきゅうに ひとりぼっち」になった気持ちになるランカですが、ある事件をきっかけにクラスの子どもたちと友だちになっていきます。

今や、学校に必ず在籍する異文化圏内の子どもたち。そんな子どもを迎える時にクラスの子どもたちに読み聞かせしてもらいたい絵本です。
日本語教室で25年間たくさんのランカたちに日本語を教えてきた著者だからこそ伝えたい思いが、松成真理子さんの柔らかな挿絵とともに読み手に沁み通っていきます。 (く)

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