『アンディとらいおん』の作者ジェームズ・ドハーティが生涯に2冊しか描かなかったという自作自画の作品の1冊、1958年原書刊行の『マウスさん一家とライオン』が出版されました。
陽気なネズミの一家が森でピクニックをしていると、昼寝をしているライオンに出会いました。末っ子のいたずらのせいでライオンを怒らせてしまいすが、一家の楽しげな様子にライオンも「今度だけは見逃してやろう」と言います。末っ子はそのお礼に「ピンチになったら知らせてよ。みんなで助けるから」と言ってライオンと別れるのですが…。
ドハーティの献辞に「世界じゅうのあらゆるところで、たくさんの人たちが、おたがいに腹をたてています。なんとかしなければなりません。動物も人間も、そして国どうしも 好意と友情をはぐくみあえますよう、願いをこめて。」とあります。大事なのはお互いを知ること、そうすれば偏見も恐怖もなくなっていくことでしょう。

『マウスさん一家とライオン』ジェームズ・ドハーティ作/安藤紀子訳/ロクリン社 1500円+税