nozaka12月8日(日)に開催された、翻訳者・野坂悦子さんによる『フランダースの犬』の朗読会は、クリスマスにぴったりのお話で、とてもすてきな会になりました。前半は『フランダースの犬』に関する様々なトリビア(作者ウィーダの人となりや、この作品が舞台となったベルギーの人には全く知られていなかったことなど)を伺い、後半では作品そのものを朗読していただきました。

原作は今から141年前に書かれています。当然物語のテンポは今の作品とは違いますが、耳から聞くとこのゆったりした展開が実に心地よく、目で読むほどくどくは感じられません。物語の中に聞き手を徐々に引き込むウィーダの筆の力はさすがで、ネロがパトラッシュと共に大聖堂で最後を迎えるシーンでは、参加者からすすり泣きが漏れるほどでした。そして物語の終わりに教会の鐘がなるところで、ちょうど銀座の鐘が鳴り響き、さらに感動を深めた1時間半でした。

その野坂さんが、会に参加できなかった方たちのために『フランダースの犬』にサインをしてくださいました。オランダ語のメッセージで「本の喜びを!」と綴られています。限定15冊!ぜひこのクリスマスの時期に名作を読み直してみませんか?