ベスト👍  フィクション
『朔と新』
いとうみく 著
講談社 刊
2020年2月 発行
本体1,500円+税
287ページ
対象:小学校高学年以上

“一本のロープ”が繋ぐもの
高速バスの事故で、視力を失った兄の朔。そのバスは、弟の新(あき)が母親との諍いで予定をずらし兄弟で乗ったバスだった。自分を責める母親の言葉と自責の念から、「一番大事なもの」――陸上競技を捨てた新。
そんな新に盲学校に通う朔が「オレの伴走者になってほしい」と告げ……。

ブラインドマラソンをテーマに兄弟、家族の葛藤と心の成長を描いた物語です。読後感がとても良い作品ですが、キレイゴトで終わらせずに読ませるところは、さすが!いとうみく。
余談ですが、物語の中に同じ著者の『車夫』の主人公・走が登場します。それもお楽しみに! (く)