教文館の出版部ではノエル・ストレトフィールドの作品をこれまで3冊刊行してきました。一番最近の出版物は彼女の代表作『バレエ・シューズ』で、ちょうど1年前に出たところですのでご記憶の方もいらっしゃるかと思います。教文館の中村妙子訳『バレエ・シューズ』は以前すぐ書房から出されたものの新訳で、抄訳でした(翻訳者の中村妙子さんはあとがきで「(すぐ書房の本は)厚さはこの本のほぼ2倍でした。でも内容についてのわたしの理解は、この本の場合のほうが濃いと思っております」と書いていらっしゃいます!)。
そしてこの度、福音館書店から児童文学者の朽木祥さんの翻訳で『バレエシューズ』が刊行されました。こちらは完訳で約390ページ、読み応えたっぷりです! 少女時代に村岡花子訳の本書に夢中になったと言う朽木さん、翻訳初作品にストレトフィールドを選ばれたのには熱い思いがあったのでしょうね。装丁もクラシカルで物語の雰囲気にあっています。ぜひ教文館版と併せてお楽しみください。

ノエル・ストレトフィールド著
『バレエ・シューズ』中村妙子 訳/ルース・ジャービス絵(原書の挿絵です)/教文館 1300円+税
『バレエシューズ』朽木祥 訳/金子恵 絵/福音館書店 2400円+税