長年、イギリスを中心に児童文学の舞台となった場所をめぐり写真に収めてこられた中央大学名誉教授の池田正孝氏は、児童文学界の知られざる有名人です。池田先生は全国に招かれてのスライドの会を開催されているので、きっと参加なさったことがある方も大勢いらっしゃることでしょう。40年以上にわたって取りためられた写真の中から、ベストショットが選び抜かれて本になりました。これは児童文学ファンには見逃せない1冊です。
取り上げられた場所(児童文学)は26か所--そのほとんどがイギリスです(26か所中、なんと21か所!)。池田氏がまえがきで書かれているように、イギリスの作品は「物語の世界が絵空事ではなく、はっきりと眼前に彷彿するようにとらえられており、その背後にはあらかじめ実在する舞台やモデルが設定されて」いるからなのでしょう。写真とエッセイを読むと、本当に物語の場面が目の前に立ち現れてくるようです。記憶がおぼろげな作品は「また読みたい!」という気持ちになります。
海外旅行はまだまだままならないこの時期、素敵な紙上旅行を皆さんにお届けする『世界の児童文学をめぐる旅』を、秋の夜長にぜひお楽しみください。

★今年の東京子ども図書館のカレンダーは池田正孝氏の写真カレンダー第4弾で、スイスが特集されています。スイスといえば『ハイジ』がすぐに思いあたりますが、フィッシャーやホフマン、カリジェなどの壁画も紹介されていて、絵本好きにもたまらない特集ではないでしょうか?

⇒12月はフィッシャーの壁画です!

『世界の児童文学をめぐる旅』池田正孝 著/エクスナレッジ 1800円+税
「20201年池田正孝写真カレンダー4 児童文学ゆかりの地を訪ねて――スイス」東京子ども図書館 1000円+税

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