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岩波少年文庫4月の新刊は、チェコの昔話集『火の鳥ときつねのリシカ』です。赤と金の表紙が印象的なこの本、イラストはナルニア国にもファンの多い出久根育さんです!

チェコの昔話と言えば、先日降矢ななさんの絵で『ヴォドニークの水の館』という絵本が出たばかり。なにかチェコづいているような気がします……。『火の鳥ときつねのリシカ』の中にもヴォドニークが出てきますが、絵本に描かれているより(怖いながらも)ユーモラスな感じがするのは、木村有子さんの軽やかな訳文のためでしょうか。
お話の内容はグリム(ドイツ)やロシアなどと似たものがありますが、その展開は読者の予想を裏切る場合もあります。動物もたくさん出てきて、象徴的というより実際の人々の生活圏にいる生身の存在として描かれている気がしました。言葉だけでなくチェコの文化をその身で体験した訳者(木村有子さん)と画家(出久根育さん)による、また新しい昔話集の誕生を喜びたいです!

出久根さんは以前にも『命の水 チェコの民話集』に絵を付けられています。同じお話もはいっているのですが、この総カラーで画集のように重厚な昔話の本と、今回の少年文庫ではイラストのテイストが全く異なります。モノクロの線を中心としたイラストは軽やかで、しかも物語の印象的な場面(カット)がふんだんにちりばめられています。もともと昔話は言葉からイメージが立ち上がるように作られていますが、出久根さんの控え目でありながら的確な挿絵は、読者の想像力を支える大きな力になるに違いありません。

『火の鳥ときつねのリシカ チェコの昔話』木村有子 編訳/出久根育 絵/岩波書店 880円(税込)

コチラもあわせてどうぞ!
『命の水 チェコの民話集』カレル・ヤロミール・エルベン 編/阿部賢一 訳/西村書店 2530円(税込)
『ヴォドニークの水の館 チェコのむかしばなし』まきあつこ 文/降矢なな 絵/BL出版 1760円(税込)

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