来月予定されているイベント、“美しさが世界をつなぐ―『くろはおうさま』ができるまで”で取り上げられるこの本は、見たことのない方が多いかもしれないので、今日は特別にくろみみくんが中身をご紹介します!
表紙は絵本にしては珍しい黒一色。銀色の線画イラストが目に飛び込みますが、一見するとちょっとおしゃれな(だけの⁉)普通の絵本ですよね。ところが、中を開いてみると……

写真でわかるでしょうか? イラストが樹脂インクでレリーフ状に描かれていて、触るとその絵が盛り上がっているのが感じられます。目の見えないトマスが感じる色の世界を独特の表現で物語るこの絵本、彼によると「きいろはからし。ぴりりと からいけど、ヒヨコの はねみたいに ふわふわ」なんですって。(写真のこのページ言葉) 他の色はどんなふうに感じているのかなと、気になりませんか? 色を「聞いたり 匂ったり 触ったり 味わったり」しているというトマス、もしかしたら見える人より豊かな感性を持っているのかもしれないと思わせてくれる、美しく味わい深い絵本です。
※言葉は見える人のためには銀色の文字で、見えない人のためには点字で書かれています。

絵本の点字は日本のJIS規格に適合したものではないので(若干盛り上げが足りないのだとか)、日本語版には点字シートも別付けされています。この珍しい翻訳の点字つき絵本『くろはおうさま』の出版の経緯について、翻訳者の宇野和美さんと編集を手掛けられた細江幸世さんのお二人にお話を伺います。
世界中で絶賛され、海外で高い評価を得た(2007年ボローニャ国際児童図書展ラガッツィ賞受賞、2008年ニューヨークタイムズ・ベスト・イラスト賞受賞)本書に関する貴重な講演会に、皆さまぜひお出かけください。

『くろはおうさま』メネナ・コティン文/ロサナ・ファリア絵/うのかずみ訳/サウザンブックス社 3850円(税込)
※講演会の詳細は教文館のイベントカレンダーをご覧ください。
※講演会参加で『くろはおうさま』のご購入の方には、参加費の割引特典があります。

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