シビル・ウェッタシンハの絵本最新作は、スリランカの昔話『ふしぎな銀の木』です。これまでのウェッタシンハさんの絵本は、どちらかというと黄色を貴重とした明るい表紙が印象的でしたが、今回は深い青と輝くような白(銀)で、これまたハッと目を引きます。
王様がある晩ふしぎな銀の木の夢をみました。よいことの前触れだといわれた王様は、3人の息子たちに夢で見た銀の木を持ち帰るようにと命じます。そして末の王子が不思議な冒険を経て、美しい乙女と銀の木を持ち帰るのですが…。
大きくて不思議な魔法が全体にかかったところが印象深いお話です。ヨーロッパの魔法とは異なる、土の匂いがするような、どこか私たちに親しみを感じさせる昔話です。また一つ素敵なお話に出会えたことを感謝したいと思います!

『ふしぎな銀の木 スリランカの昔話』シビル・ウェッタシンハ 再話・絵/松岡享子&市川雅子 訳/福音館書店 1400円+税

★となりに写っている『ポッダとポッディ』(福音館書店/800円+税)は出版社品切れ本です。ナルニア国では後20冊だけ在庫がありますので、ご希望の方はお早めにご来店ください。