mokuhanga2
10月30日から始まったナルニアホールの“ヨーロッパの木版画展”。大変貴重で古い資料(木版画の元になった版木)なども展示されているのですが、まずはどうやって版画が作られているかを写真で図解しているコーナーからご紹介します。これはイギリスの木口木版画家のイヴォンヌ・スカーゴンさんが、実際に1枚の絵を完成させるまでを10枚の写真で追ったものです。簡単そうに解説してありますが、これだけ細かい線を彫っていくのは相当の根気と時間がかかるものではないでしょうか…。写真の中にはイヴォンヌさんが使っている彫刻刀も写っていますが、数えたら全部で20種類もありました!

mokuhanga1
これがイヴォンヌさんが木口木版画の制作に使われた実際の彫刻刀(ビュラン)です。持ち手が丸くなっているのが、日本の彫刻刀とは違いますね。これで硬いつげの木などを細かく彫っていくのだそうです。

mokuhanga3
そして…これが木口木版を印刷する機械です。写真はガラス越しなので見えにくくてごめんなさい!
こちらはミズノ・プリンティングミュージアムよりお借りした、明治30年頃の手フート印刷機(手動式の平圧印刷機)――どんな風に文字と絵を組み合わせて印刷がされるのか、これを見ると具体的にわかります。古そうに見えますが、現役で使うことができるのだそうですよ。この卓上印刷機を作った平野富二というひとはどうやらすごい人らしく、彼の作った手引き活版印刷機(写真のコレではありません)は「機械遺産」に認定されているとか。
ナルニアホールに来たら、ぜひこの珍しい印刷機もじっくり見てください!