2ヶ月ぶりに出た岩波少年文庫の新刊は、チェコの作家カレル・ポラーチェクの『魔女のむすこたち』です。1969年にハードカバー版として一度出版されたことがあるので、図書館などで見たことがある方もいるかもしれません。この本はおどろおどろしい(?)タイトルとは裏腹に、実は陽気な楽しいお話です。国家公認魔女のバーバラばあさん(150歳)の2人の息子、ふとっちょのエドダント(68歳)とやせっぽちのフランチモル(66歳)が学校へ通うことになります。夏になって遠足が計画されると、2人はおかあさん(バーバラばあさん)の魔法のほうきをこっそり持ち出して、それに乗って森へ子どもたちだけで遠足に出かけるのですが……。夜の森に迷い込んで山賊に囚われたり、カッパ(ヴォドニーク)に出会ったりと奇想天外な冒険が次々におこります。イラストは『こいぬとこねこのおかしな話』のヨゼフ・チャペック! 解説はカレル・チャペック紅茶店の山田詩子さんです。久しぶりによみがえったチェコのユーモア冒険物語をどうぞお楽しみください。

『魔女のむすこたち』カレル・ポラーチェク作/小野田澄子訳/岩波少年文庫 720円+税