ナルニア国でかなり以前に、福音館書店の月刊絵本・こどものともの「サルとトラ」(2005年の作品)というラオスのモン族の刺繍絵本の原画展を行ったことがありました。その時にお話をうかがった安井清子さんが、この度『ラオス 山の村に図書館ができた』(安井清子著/福音館書店/1500円+税)を上梓されました。安井さんは1985年にNGOのスタッフとして、タイのラオス難民キャンプでモン族の子どもたちのための図書館活動に携わって以来、現在もラオスの子ども図書館の活動に関わり、モン族の口承文化を記録・継承する活動も行っていらっしゃるそうです。その長年の思いや活動についてまとめられたのが本書です。
にこやかに笑う巻末の写真を見ると、そんな大変な事業を行ってこられた人に対して私たちが想像するような“偉人的雰囲気”はあまり感じられません。何が安井さんをこの活動に駆り立て、がんばる原動力となったのか、ぜひこの本を読んでみたいと思いました。
★安井さんが採話と訳をおこなった『モンの民話』(ディンディガル・ベル/1700円+税)も販売しています。