久しぶりに増刷された2点をご紹介します。
ノーベル賞作家で、イディッシュ語で小説を書き続けたユダヤ人作家、I.B.シンガーの『やぎと少年』が、岩波書店から再販されました。以前は箱入りでしたが、今回から箱はなくなりました。今時箱入りなんて、かなり贅沢ですし、実際 図書館などでは捨てられてしまうこともありますから、なくても問題ない…のかもしれません。本というカタチを愛するものとしては、少し寂しいきもしますが、それによって出版されないよりは、箱なしでも買える方がいいですよね！
そして、もう１冊は長崎出版から出ていて絶版になった『ちいさな曲芸師 バーナビー』が、新しい版元から再販されました。バーバラ・クーニーの美しい絵が、貧しい少年の運命の変転を描いた感動的な作品です。自分のできる唯一のこと（曲芸）を、マリア様のために一心に捧げた少年バーナビーの姿に心を打たれます。もう一度手に入るようになって本当によかった！ぜひたくさんの人に読んでいただきたいと思います。
『やぎと少年』アイザック・B・シンガー作／モーリス・センダック絵／工藤幸雄訳／岩波書店 2000円＋税
『ちいさな曲芸師 バーナビー フランスに伝わるお話』バーバラ・クーニー再話・絵／末盛千枝子訳／現代企画室 2000円＋税
