先日驚くようなニュースを聞きました。広島と長崎に原爆が投下された日を正確に知らない人が、国民の半数近くいるというのです。それは若い世代になるほど多いとも聞きました。戦後70年、これほどまでに記憶が風化しているとは驚きです。
被爆者の平均年齢が80歳を超えた今、実際の体験者から話を聞くことは難しくなっています。それでも関係する様々な本を通して、まだまだ学べることは多いはず!忘れてはいけない大切な記憶を繋いでいくために、ぜひこれらの本を読んでいただきたいと思います。
広島に落とされた原爆では、10代の子どもたちが大勢亡くなりました。戦争に出て行った大人に代わって、市内の様々な作業に駆り出されていたたくさんの子どもたちが、結果的に原爆で亡くなることになったのです。なぜこの子たちが犠牲にならなければならなかったのか、理不尽さに打ちのめされる思いがします。戦争と原爆の現実を知るきっかけとしていただければと思います。

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『いしぶみ 広島二中一年生 全滅の記録』広島テレビ放送・編/ポプラ社 1300円+税
『空が、赤く、焼けて 原爆で死にゆく子たちとの8日間』奥田貞子・著/小学館 1100円+税
『キノコ雲に追われて 二重被爆者9人の証言』ロバート・トランブル作/吉井知代子・訳/あすなろ書房 1300円+税

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広島の原爆で残された様々な品が語る『さがしています』(アーサー・ビナード作/岡倉禎志・写真/童心社 1300円+税)は、そこにいた一人一人にかけがえのない命があったことを思い出させてくる絵本です。被害の大きさはもちろんですが、それを一人一人の物語としてとらえたとき、一瞬で人生を無にする戦争の本当の恐ろしさが見えてくるのではないでしょうか。
※著者のアーサー・ビナードさんのサイン本を30冊限定でご用意しています。