curtain up
先日予告をしました、ノエル・ストレトフィールドの新刊『ふたりのエアリエル』(教文館/1400円+税)が金曜日に入荷しました。通常の配本は10月20日ですので、どこよりも早くナルニア国の店頭に並んだところです。
翻訳者・中村妙子さんがあとがきにストレトフィールドの作品の特徴を「ある時期まで本人も気づかなかった子どもの個性や能力が環境や出会いの刺激をうけて開花し、成長していく過程で、子どもたち自身がとまどいや挫折を経験するとき、温かい気持ちを持つ大人が、場合によっては、ただそっと傍らにたたずむだけで、その心の渇きを癒し、成長を助け、失敗からでさい何かを学ぶように手助けできる」と書いておられます。優れた児童文学には必ず、素晴らしい大人が登場します(反対にダメな大人ももちろん出てきますが…)。子どもたちが物語の中に理想を大人像を見出せることは、実はとても大切なことです。これから大人になっていく道の途中にいる子どもたちが「こんな人がいてくれたら」「こんな人になりたい」と思える大人の姿を描いていることが、作品の根底をささえるといっても過言ではないと思います。そんな素敵な大人たちが登場するこの『ふたりのエアリエル』を、ストレトフィールドの作品を楽しんだ昔の子どもたちにも、またこれから自分の行く道を探していく子どもたちにも、ぜひ読んでほしいと思います。