絵本から一人読みに移行する子どもたちのために楽しい幼年童話を――という趣旨のもと刊行されている、大日本図書の“こころのほんばこ”シリーズの最新刊は、「マドレーヌ」シリーズの作者ベーメルマンスの物語『かしこいうさぎのローズバッド』です。
ある日、本を読んでいたローズバッドは、ライオン・ラクダ・ゾウ・クジラなどの動物たちが褒められている一方、ウサギは「臆病者」と書かれていることに憤慨します。そして知恵をつかってあることを試みるのですが……。
昔話をよく知る人には「あ、この展開は……」と思い当たるのではないでしょうか？ “強い”ということは決して腕力があるというだけではなく、頭が切れることも強さの一つなのだということが痛快に語られる愉快な幼年童話です。
『かしこいうさぎのローズバッド』ルドウィッヒ・ベーメルマンス文・絵／小宮由 訳／大日本図書 1400円＋税
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