kimu

11月の岩波少年文庫新刊は、ラドヤード・キプリング作『少年キム(上・下)』です。2014年の短編集『ゾウの鼻が長いわけ』と、今年5月に出た『ジャングル・ブック』に続く3冊目となりました。1997年に一度他の出版社から出ていたことがあり、何度か挑戦しようとして挫折をした経験があるこの作品、今度こそ読み通せるかも…!?と、一読者として秘かな期待をしながら刊行を待っていました。

19世紀のインドを舞台に、イギリス人孤児の少年キムが各地を旅しながらスパイとしての才能を見出され、大国の覇権争いに巻き込まれる冒険活劇――と聞けば、物語好きの血が騒ぎます。翻訳は『ジャングル・ブック』に続き、三辺律子さんです。上下合わせて600ページの完訳本、どうぞ皆さん、腰を据えてじーっくりお楽しみください。

『少年キム』ラドヤード・キプリング作/三辺律子訳/岩波書店 上:760円+税 下:720円+税