1967年に第1版が出版され50年以上に渡って日本の子どもたちに読み継がれてきた傑作絵本『スーホの白い馬』が、2020年2月の140刷から美しくよみがえりました。絵本は版を重ねるごとに段々色や線が褪せたりぼやけたりするのですが(版が磨耗するので仕方ないことではあります)、この前までこんなに色が悪かったのか(福音館さん、ゴメンナサイ!)……とびっくりするくらい、140刷はきれいになっています。
※写真の上が旧版、下が新版140刷です。

 →くろみみくんもビックリ!

片方ずつ見ているとよく分からないかもしれませんが、比べてみると一目瞭然! この新版作成に関わられた方が色の違いについて「砂漠と草原くらい違う」と仰っていた意味が分かりました。スーホが競馬に出かけるシーンを比べてみると、上の旧版では地面の色が茶色でまるで砂漠みたいですが、下の新版では確かに草色でモンゴルの地平線まで広がる草原が実感されます。
この新しい版を作るために、出版社と印刷所の方が原画を手元に色を確認しながら作業をされたというお話も伺っています。本当にすばらしくきれいに原画の色を取り戻した140刷の『スーホの白い馬』、既にお持ちの方もこれは買い直す価値があります! ぜひナルニア国店頭でご覧くださいませ。

『スーホの白い馬 モンゴル民話』大塚勇三 再話/赤羽末吉 画/福音館書店 1400円+税 ※旧版より100円値上がりしました。