ベスト👍語り手のために 『お年寄りにもおはなしを!高齢者のためのおはなし会読本』
山根玲子 著
やまね舎刊
2019年12月 発行
本体1500円+税
141ページ
対象:大人

おはなし会に関わる全ての方に!

ここ数年、高齢者施設でのおはなし会活動がさかんに行われるようになりましたが、著者の山根玲子さんは20年に渡り、高齢者へのおはなし会を実践しており、この分野では先駆者とも言える方です。本書には、その豊富な経験の中から実践にすぐに役立つ内容がとても分かりやすく具体的に書かれています。親しみやすい文章に、思わず笑いながらも、なるほど!としみじみと頷く箇所がたくさんあります。

「私は高齢者施設には行っていないから関係ないわ」という方も、子どもの本に携わっているなら読んでいただきたいと思います。なぜなら、山根さんご自身が、高齢者だけでなく、子どもたちへのおはなし会活動も長年なさっている方だからです。

私が特に感銘を受けた個所を少し長くなりますが紹介させてください。

~山根さんが20年以上前に児童養護施設の2~3歳児のクラスに行ったときに、読み聞かせ前のわらべうた「だっこしてぎゅ~」をしたところ、子どもたちが全員、だっこして~になり、1時間それだけになってしまった。次に行った時も、「だっこしてぎゅ~」で絵本が一冊も読めなかった。全くおはなし会の形にならないことに根をあげてしまった山根さん。「今になって思うのです。あの時どうして子どもたちが飽きるまでだっこしてあげなかったんだろう。どうしておはなし会という形にこだわってしまったんだろう。母親と離れて暮らしているあの子たちが切実に欲していたのは絵本ではなく抱っこしてぎゅだった…
あのときのわたしは、まさに「自分が児童施設の子どもたちに絵本を読みたくて」行っていたのだと思うのです。そのことに気づいてから、自己満足ではない、ほんとうにお年寄りにおはなし会を届けたいという思いはますます強くなりました。~

「自己満足ではないおはなし会」…肝に銘じなければと思いました。

実はコロナがなかったなら、9月19日にナルニア国で、実践を交えた講演会をお願いしておりました。今年は中止となりましたが、来年は山根さんをお招きして講演会を行いたいと思っています。まだこの本をお読みでない方はぜひお手に取ってください。(く)

※巻末に 手遊び、わらべうた、オススメの絵本、季節のプログラム付き

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