『まゆとごちそう 春夏秋冬 七つのお話とお料理レシピ』

『まゆとごちそう 春夏秋冬 七つのお話とお料理レシピ』
富安陽子 作
降矢なな 画
福音館書店 刊
2026年4月 発行
1980円(税込)
112ページ
分類:フィクション
対象:小学校中学年から

やまんば山で、みんな一緒に、いただきます!

富安陽子さんのデビュー作『やまんば山のモッコたち』と、そこから生まれた「こどものとも」絵本“やまんばのむすめ まゆ”シリーズは、子どもたちに大人気の物語です。2026年は「こどものとも」創刊70周年で、記念に楽しいお話とレシピの本が刊行されました。

まゆのお話にはいつも、山姥かあさんが作ってくれる美味しいごはんや山の幸がたくさん登場します。冒険の後、ご褒美のように登場する場合もあれば、そのごちそう自体が物語の中心になっていることもあります。本書『まゆとごちそう 春夏秋冬』は、まさにごちそうこそが主役の1冊! 山姥かあさんの豪快な料理からはいいにおいが立ち上ってきて、登場人物たちと一緒に私もその食卓につきたい気持ちでいっぱいになります。タヌキもカラスもキツネもイノシシも、河童も天狗も鬼もみんなで食べるごちそうは格別の味に違いありません。春には竹林でタケノコを掘り、夏には河童の赤ちゃんの誕生パーティに寿司ケーキを持参し、秋にはキノコいっぱいのクリームスープを味わい、冬には野菜たっぷりの真鱈鍋を森の動物たちと囲む――初夏に130個の卵を割って作った世界で一番でっかいお好み焼き、カリカリ&モチモチでおいしそう。あぁ食べてみたい~~!

まゆのお話を知っている人は、絵本の登場人物に再会できて嬉しいでしょう。この本で初めてまゆと啓太に出会った人がいたら、ぜひ『やまんば山のモッコたち』やまゆの絵本シリーズを手に取ってください。食いしん坊さんは、おうちの人と一緒にまゆが食べた山姥かあさんのお料理を家で作ってみるのもいいと思います。読んで、作って、食べて、お腹と心を満たす本書は、降矢ななさんのイラストが贅沢に入っており、ここからさらに新しい絵本が生まれてきそうな予感がする作品になっています。(か)