『放課後によむ短篇集』

『放課後によむ短篇集』
頭木弘樹 編
理論社 刊
2026年5月 発行
1980円(税込)
222ページ
分類:フィクション
対象:中学生から

ひとりの時間を照らす10の物語

文学紹介者である編者による短編作品集。 収められている著者の名前は知っていても案外、読んだことのある作品はないのではないでしょうか。
かくいうわたしも、1篇しか読んだことはありませんでした! それも読み始めて終わりが近くなって「あ、読んだことある!」と思い出したくらい(笑)。
収録されているのは次の10篇。あなたは読んだことありますか?

「待つ」太宰治
「かくれんぼをした夜」筒井康隆
「ウォンジュンとジュンモクが歩いていって」パク・ソルメ(斎藤真理子初訳)
「父への手紙 抜粋」フランツ・カフカ(頭木弘樹訳)
「私」谷崎潤一郎
「子供たちの晩餐」江國香織
「一〇〇グラムの親友」ジョー・ヒル(向井和美訳)
「水たまり」西岸良平
「犬の生活」小山清
「青かける青」川上未映子

どれも短い作品ながら読み応えがあり、深い余韻に満たされました。「放課後に~」と題している意味合いもちゃんとあります。それは実際に読んで、感じてほしいところだなあ。
個人的に一番気に入ったのは「一〇〇グラムの親友」です! ラストの展開は読めなかった! 意外性もありつつ、ストンと落ちるというか。
この作家は名前も知らず、もちろん読んだこともなく、初づくしでした。
まだ読めていないけど、他の作品も読んでみたいと思いました(ご存知の方もあるでしょうが、ちなみにジョー・ヒルとはスティーヴン・キングの子どもだそうです! ワオ!)。

こんな風に知らない作家に出会えるのが、短篇集のよいところでもありますね。
巻末には作品解説やブックガイドもあるので、さらに世界が広がりそうです。ぜひ、手にとってみてほしいです。 (す)