【たくさんのふしぎ40th】 🤔 『カブトムシの音がきこえる』

【たくさんのふしぎ40th】🤔 (2018年3月1日発行)
『カブトムシの音がきこえる 土の中の11か月』
小島渉 文
廣野研一 絵
福音館書店 刊
2021年5月15日 発行
1430円(税込)
40ページ

カブトムシ幼虫の知られざる暮らしぶりのすべて!

今も昔も昆虫好きの子どもたち(子どもに限らないか!)に大人気のカブトムシ。立派な角をはやした成虫のオスの姿にほれぼれしちゃうのは共感できます。確かにカッコいいものね。
でも、あの姿で生きているのは、カブトムシのおよそ1年の生涯のなかでたったのひと月ほどとのこと。では、あの凛々しい姿になるまでは? というと、土の中で幼虫として過ごすのだそうです。

本書は、その土の中での幼虫の暮らしを丁寧に書いたものです。脱皮を繰り返して、大きくなるカブトムシ。この脱皮は生まれついての本能で簡単にできるのかと思っていましたが、なんと大違い!
ほんの一部でもうまく脱げないと、幼虫は死んでしまう。脱皮は命がけの作業との記述には本当に驚きました。知らなかった~。
腐葉土などを食べて、食べて、そして脱皮をして、大きくなります。しかし、腐葉土だけでそんなに体が大きくなるの?
それには微生物の存在が大きくかかわっていましたーー。

また、幼虫が1か所に集まっていることも(群れをつくっているみたい!)研究のすえ、答えが明らかになった。

しっかりと読めば、その最新の研究結果がわかります。カブトムシが好きな人にはわくわくすることばかりでしょう。新書やブックレットで出版されてもいいような内容が、小学生でも読めちゃうっていうのが「たくさんのふしぎ」の良さです。すご~い!

ただし。
本書のページ構成には正直「???」と思うことが多かったのも事実です。内容がおもしろいだけに、ちょっと残念に思います。ページにぎっしり組まれた文字のみのところがあったり、全体にページの周囲の余白が少なくて、読みにくい。フォントのサイズも一回り小さくてもよいのでは、と感じました。コミック風にしているイラストの部分も疑問が残ります。
とはいえ書かれている内容は興味深いので、虫好きは一度は手にしてみて損はないと思いますよ。カブトムシ飼育をしている人は参考になることも多いはず。 (す)