【たくさんのふしぎ40th】🤔『ノラネコの研究』
【たくさんのふしぎ40th】🤔(1991年10月号)
『ノラネコの研究』
伊澤雅子 文
平出衛 絵
福音館書店 刊
2024年11月25日 発行
1,430円(税込)
40ページ
知っていますか?ネコ社会のルール
ノラネコ社会にも、ルールや礼儀があるのを知っていますか。
教えてくれるのは、哺乳類生態学を専門とし、とくにネコ科動物の生態を研究している伊澤雅子さんです。伊澤さんは、ノラネコたちがどんなくらしをしているのかを研究していて、本書では、ノラネコを1日観察した研究の記録を教えてくれます。
ノラネコの観察にはいろいろなやり方があるそうですが、伊澤さんが好きなのは「主人公のネコをきめて、その後をこっそりついていって、ネコが1日何をしているのかしらべる」やり方です。今回の主人公は、黒と白のぶちの、しっぽのみじかいオスネコ「ナオスケ」。舞台は九州の海辺の小さな町で、ナオスケのほかにも10ぴきのおとなのネコと、8ひきの子ネコがすんでいます。
ナオスケの観察は、午前11時から始まりました。本格的な追跡を始めたら、ナオスケに気がつかれないよう、こっそりとあとをつけます。ネコが後ろをふりかえりそうになったときに隠れる場所を探しながら追跡するそうで、まるで警察や探偵の尾行のよう。観察を続けていくと、ノラネコ社会のルールがわかってきます。たとえば、もし道を歩いているときに、むこうからほかのネコが来てしまったら、どうするのがルールだと思いますか?ーーそんなときは、先に相手に気づいた方が立ち止まって、じっとまつことがルールだそうで、もう一方のネコは道の向こう側を遠回りして通るのが決まりなようです。さらに、そのときは相手を見ないようにするそう!これがネコ社会の礼儀なのですね。ルールはこれだけではありません。ほかにも数々のルールがあるので、ぜひお確かめください。
巻末には、ナオスケの一日(町のどこをどのようなルートで歩いたのか、時間ごとに何をしていたのか)が表と地図にまとめられています。
平出さんの絵もあたたかくて、まるで動いているかのような、なめらかさがあります。
ネコ好きさんにとっても、たまらない一冊でしょう。あなたの近くにすんでいるノラネコちゃんは、どんなくらしをしていますか?(み)
