【たくさんのふしぎ40th】🤔 『石油のものがたり』
【たくさんのふしぎ40th】🤔 (2017年6月号)
『石油のものがたり』
大河内直彦 文
山福朱実 絵
福音館書店 刊
2023年6月15日 発行
1430円(税込)
40ページ
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「地球がためこんだ太陽エネルギー」石油のなぞにせまる
私たちの暮らしは石油なしには成り立ちません。燃料として使われるだけではなく、石油から作られる様々な製品は、いまや生活のあらゆる部分に入り込んでいるからです。このように便利で快適な生活を送るために不可欠な石油は、どのようにして生まれてきたのでしょうか。石油の誕生から人々の利用の歴史までが物語のように綴られます。
石油の基は海中に存在する植物プランクトンです。植物プランクトンは光合成をすることで、太陽のエネルギーをその身に蓄えていきます。通常は他の生物のエサとなるはずの植物プランクトンですが、1億年前の地球と海の環境変化により捕食生物がいなくなったことで大量の死骸が海底に降り積もり、そのヘドロが何千万年という気の遠くなるような時間をかけて、石油に生まれ変わっていったのでした。地球の壮大な営みの中で誕生した石油がいかに貴重な資源であるか、この事実からも感じられます。
「燃える水」「黒い水」などと呼ばれた石油を、古代の人々は接着剤や防腐剤などに利用してきました。時代が進み、人口が増えてくると、人間は不足した燃料に地下からしみだしている油(=石油)を使うことを思いつきます。人類が本格的に地面の下の石油を使い始めてまだ200年も経っていませんが、その結果もたらされた生活の変化は非常に大きく、また環境に与えた影響も甚大です。石油を大量に使い続けて豊かな生活を送ることが、結果として私たちの生きる地球環境を破壊することに繋がるのであれば、その使い方も考えなくてはなりません。地球上のあらゆる命(目に見えるものも見えないものも)が等しく幸福に生きられるように「あなたはどうしますか?」との問いが、ラストの見開きページのイラストから投げかけられているように思われました。(か)
