永江朗氏 連続トークセッション
いま、“本屋”で「ヘイト本」と向き合う
主催/教文館ナルニア国
共催/太郎次郎社エディタス ころから

あなたにとって本とはどんなものでしょうか?
本は私たちの心をわくわくさせ、新しい世界を拓く扉となる一方で、人びとを分断し、憎悪を助長するものともなり得ます。なぜそうした、特定の人びとを拒絶・否定するような本、いわゆる「ヘイト本」が作られ、売られ続けてしまうのでしょうか。
ナルニア国では、この秋『私は本屋が好きでした─あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏』(太郎次郎社エディタス)を上梓された永江朗さんをお招きして、「ヘイト本」とどう向き合うかを、テーマごとにゲストと考える全3回の連続トークセッションを企画します。
本と本屋を愛する人はもちろん、子どもたちに手渡す未来を少しでもよいものにしたいと思う大人の方にぜひご参加いただきたい講演会です。子どもと本との幸せな出会いの場を目指して活動をしてきた私たちは、本屋と社会の未来のために、皆さんとご一緒にこの問題を考えてゆきたいと思っています。

【各回詳細】
1回 本屋とヘイト本 2020112日(日) ★終了いたしました
永江朗×石橋毅史 (ノンフィクションライター):“「本屋」にとって「ヘイト本」とはなにか”
「ヘイト本」現象は本屋のなにを象徴しているのか。「ヘイト本」の存在は、本屋になにをもたらしているのか。「本屋」とはなにか、“本を手渡す職業”の存在意義とはなにかを求め続け、近著『本屋がアジアをつなぐ』(ころから)では、その答えをもとめてアジアの本屋を巡った、石橋毅史さん。たがいに豊富な本屋取材の経験をもち、「書店」よりも「本屋」という呼称にこだわりを持つ永江さんと石橋さんのおふたりが、日本の本屋事情だけでなく、アジアの本屋のいまもひも解き、「本屋」にとって「ヘイト本」とはなにか、を根源的に問いなおします。

2回 日本社会とヘイト本 2020126日(日) ★終了いたしました
永江朗×武田砂鉄 (フリーライター):“「ヘイト本」が本屋につくる雰囲気、社会につくる気配”
「ヘイト本」は社会にたいしてどんな影響を持ちうるのでしょうか。また、書店員は社会のどんな“気配”を読み取って、問題とされる書籍のとり扱いを決めるのでしょうか。
出版社での営業部・編集部勤務を経て、『紋切型社会』(現・新潮文庫)でデビューし、2018年に刊行した『日本の気配』(晶文社)でも、現代日本に通底する価値観や雰囲気を巧みに言語化する気鋭のライター、武田砂鉄さんをお迎えして、「ヘイト本」が本屋にもたらしているもの、社会につくっている気配を探り、書店・出版業界の内側の視点と、外側の社会の視点から「ヘイト本」現象を解読します。

3回 当事者とヘイト本 2020224日(月祝)★終了いたしました
永江朗×深沢潮 (作家):“私の存在を歓迎しない本と本屋について”
「ヘイト本」の「標的」となっている人びとは、いまの出版業界に、そして本屋にどのような思いを抱いているのでしょうか。この状況に当事者からの声はあがらなかったのか、あげられなかったのか、それとも、書店・出版業界が聞かなかったのか。
コリアンルーツを持ち、2019年に文庫化された『緑と赤』(小学館文庫)をはじめ、「在日朝鮮人」をテーマにした作品を多数執筆され、人気作家として出版社や本屋との関わりも深い深沢潮さんをお迎えして、「ヘイト本」問題を語るうえで、書店・出版業界に欠落しがちな当事者の目線から、この問題をとらえなおします。

会場:教文館9階ウェンライトホール
時間:いずれも午後2時~3時30分 ※当日開場:午後1時30分
定員:100名
会費:各回1000円
★講演会終了後にサイン会が予定されています。
サインをご希望の方は当日ナルニア国で書籍をお買い求めください。
※書籍の持ち込みはお断りいたします。