ディズニーによる映画が公開されて再び注目の集まる、A.A.ミルン作『クマのプーさん』。子ども部屋の魔法がいっぱいつまった、楽しくて笑いのあふれる児童文学の名作です。プーさんと百町森の仲間たちのお話は、全部で20もあります。そのうち映画になったエピソードは数話ですので、この際ぜひ原作で“ばっかなクマ”と個性溢れる仲間たちのお話をお楽しみください。石井桃子さんの訳文も(最初のうちは読みづらいかもしれませんが)、段々体の中に染み込んでくると、面白さがじわじわとこみ上げてきますよ。
そして、今回は珍しい書籍を1点ご紹介します。『A.A.ミルン童謡集』(山田正巳・訳詩/中部日本教育文化会/定価3500円)です。ミルンがプーさんを書く以前に作った詩集で、晶文社からは小田島雄志さんの訳で2分冊で出ています。この本は古風な袋とじ製本なので、お読みになる時はペーパーナイフでページを切りながらご覧になると、より詩集の楽しさが味わえます。