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4月から継続して行っている“戦後70年企画・未来のために、今 考える”――9~10月のテーマは“ドイツ人はあの戦争をどのように描いてきたか”です。主に児童文学から見直してみようという企画ですが、同じ第二次世界大戦の敗戦国として、ドイツの作品からは学ぶことが多くあります。文学作品としての質の高さもそうですが、ドイツ国民として戦争への向き合い方が作品に反映されているように感じます。多くの方に、ぜひお手に取っていただきたい本です。

『あのころはフリードリヒがいた』リヒター作/上田真而子訳/岩波書店 680円+税
『過去への扉をあけろ』ペライ作/酒寄進一訳/童話館出版 1500円+税
『ベルリン1933』コルドン作/酒寄進一訳/理論社 2400円+税
『そこに僕らは居合わせた』パウゼヴァング作/高田ゆみ子訳 2500円+税

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そして、<文学で読む戦争>の今月の1冊はこの2点です。ただ今映画公開中の『走れ、走って逃げろ』(映画のタイトルは“ふたつの名前を持つ少年”:オルレブ作/母袋夏生訳/岩波書店 720円+税)と、ドラ・ド・ヨングの不朽の名作『あらしの前』『あらしのあと』(吉野源三郎訳/岩波書店 各680円+税)です。『あらしの前』『あらしのあと』は、10月中旬に尾野三千代さんによる朗読会も予定されていますので、どうぞご期待ください!