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こんにちは、くろみみくんです!
ここは、今年こぐま社から出たばかりの『エドワード・アーディゾーニ 若き日の自伝』に関連したコーナー。アーディゾーニの少年時代からチムを出版するまでのことが、イラストたっぷりで描かれたとっても面白い本なんだけど、実際のアーディゾーニ少年の写真なんかも飾られて、“古き良きイギリス”が感じられる展示です。

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わー、この自伝の原書にはアーディゾーニのサインが入ってる!その隣のお手紙は、1970年12月にアイリーン・コルウェルさんが石井桃子さんに送ったもので、「あなたが読みたいのではないかと思われる本を見つけました」と、“The Young Ardizzone(自伝の原題)”が紹介されてます。ボクは今年知ったけど、石井桃子さんは1970年にもうアーディゾーニの自伝のことを知ってたんだ…。

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この小さい赤い本は、とても重要なんだよ。アーディゾーニ少年に「イラストレーターになりたい」と決意させたのが、この手のひらに乗りそうな小さなジョン・バニヤンの『天路歴程』だったんだって。アーディゾーニが寄宿学校時代にもらったのと同じ本が、飾ってありました!(そのものじゃないけどね)。1947年には、アーディゾーニ自身が『天路歴程』にイラストを付けてて、その本も飾られてます。嬉しかっただろうね~。

 

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これは随分大きな絵だな…。解説を読むと「1941年作成のリトグラフのポスター」なんだって。どういう場面かというと、ロンドン市内の鉄道高架下にあったワインの貯蔵庫が、戦時中に避難場所になっていて、その様子を描いたものらしい。アーディゾーニって、こんな絵も描いてるんだ。

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それこそ日本では知られていないけど、アーディゾーニは第2次大戦中に従軍画家として英国軍とともに戦場を歩いたんだよ。その時にした大量のスケッチが、今もロンドンの戦争博物館に所蔵されているんだって。

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そして驚くべきことに、この従軍中にデ・ラ・メアの『孔雀のパイ』の挿絵を描いていたんだ。殺伐とした戦場にいながらこんな素晴らしい絵が描けるなんて…アーディゾーニって天才!それまでにフレーザーやクーニーなど、たくさんの画家がこの詩集に絵をつけてきたけれど、1946年に出版されたアーディゾーニの挿絵のものが決定版となったそうだよ。デ・ラ・メアの彼に対する賛辞が感動的です。

今日はここまで。次回は『ライラックの枝のクロウタドリ』のジェームズ・リーヴズとの仕事をご紹介しま~す!