先日刊行のお知らせをしました『秘密の花園』は、教文館出版部の児童文学としては5冊目の本です。著者のF.H.バーネットは2024年が没後100年にあたるのですが、実はもう一人同じく没後100年の作家がいました！ それがE.ネズビットです。
ネズビットの日本でもっとよく知られた作品は恐らく石井桃子訳の『砂の妖精』（福音館書店）だと思いますが、実は教文館からも『鉄道きょうだい』という作品が出版されています。ほぼ同時代の作家であるバーネットとネズビットーー二人の作品を読むと、今の時代には書くことが難しいようなまっすぐな物語であることに不思議な感動を覚えます。そして、まっすぐな物語といえば、こちらもまた眩しいほどに一生懸命生きている個性的な子どもたちが登場するのが、ノエル・ストレトフィールドのジュブナイル・ストーリー（『バレエ・シューズ』『ふたりのエアリエル』『ふたりのスケーター』）です。
イマドキの本の中では埋もれてしまいそうな地味な装丁ですが、お話のおもしろさは折り紙付き！ なにより子どもたちが己の未来を信じて切り拓くための力を与えてくれる作品であることは間違いありません。古典作品の魅力をよく知る図書館司書の皆さんには特に、上手に子どもたちに勧めていただきたいと願っています。
教文館の児童書
新刊✨『秘密の花園』F.H.バーネット作／脇明子 訳／2310円（税込）
既刊『鉄道きょうだい』E.ネズビット 作／中村妙子 訳／1760円（税込）
既刊『バレエ・シューズ』ノエル・ストレトフィールド 作／中村妙子 訳／1430円（税込）
既刊『ふたりのエアリエル』ノエル・ストレトフィールド 作／中村妙子 訳／1540円（税込）
既刊『ふたりのスケーター』ノエル・ストレトフィールド 作／中村妙子 訳／1320円（税込）
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