子ども文庫の会からロジャー・デュボアザンの絵本が新刊で出ました。原書が1974年の刊行で、その年のニューヨーク科学アカデミーの児童書部門を受賞したそうです。デュボアザンは1980年に亡くなっていますので、最晩年の作品といえるでしょう。解説によると本書は「(印刷に)使える色数が少なければ少ないほど、力を試される」と語っていたデュボアザンが、「色がさまざまに混ざりあって世界の美しさを彩っている神秘を、とてもわかりやすく親しみを込めて、子どもに語っ」たものとされています。最初はそれぞれに自分の美しさを主張していた色たち(黄色・青・赤・黒・白)が仲良く一緒に色鮮やかな世界を作り出すところで、物語は終わります。色たちの言葉を聴きながらこねこのマックスがつぶやくせりふが何ともおかしくて、笑ったりうなづいたりしてしまいます。印刷があまりキレイでないのが残念ですが、デュボアザンの今までの絵本とはちょっと違った珍しい作品をお楽しみください。

『ぼくはなにいろのネコ?』ロジャー・デュボアザン 作/山本まつよ 訳/子ども文庫の会 1300円+税