ナルニア国の広報部長(!)くろみみくんが、今回も赤羽末吉展の様子をちょっぴりレポートします。これを見て、行きたい気持ちになってくれたら嬉しいなぁ~。

とにかくたくさんの方のご協力で、この最後の展覧会も無事に開幕できました。1か月という短い期間で、しかも大半が緊急事態宣言中となりますが、見に来ていただけたらとても嬉しいです。

今回の展示のメインは『スーホの白い馬』です。ピエゾグラフ*ではありますが全場面24枚の展示をしています。明るいところでしっかり細部まで見ていただけるのが複製画の特徴です。紙のしわまで再現され、言われなければ原画と見分けがつきません。ちひろ美術館でも全場面は展示していないそうですので、赤羽さんの代表作をじっくりと見られるのはナルニア国の赤羽末吉展だけ! 地平線が360度見えるというモンゴルの大草原を想像しながら見てください。
ちなみに、この展示の作品解説はちひろ美術館主任学芸員の上島史子さんが書いてくださいました(ありがとうございます!)。専門家による長年の研究成果を惜しみなく提供してくださった素晴らしい解説は、より深く作品を鑑賞するための何よりの手助けとなっています。
*ピエゾグラフ:作品の色合いや風合いをデジタル情報として保存し、最新技術による耐光性のある微小インクドットで精巧に再現した作品。

「うわー! 草原に二重の虹がかかってるよ。空と大地の大きさを感じるなぁ」 byくろみみくん

これは『いしになったかりゅうど』の一場面。この作品で赤羽さんは箔を使っているので、複製はとても難しかったそうです。でもナルニア国スタッフの「どうしてもこの作品が見たい&紹介したい!」という思いに、ちひろ美術館さんが応えてくださいました……感謝!
※絵本『いしになったかりゅうど』は2020年の限定復刊品です。この展覧会の間だけ、赤羽末吉の落款が押された本を特別に販売します。

「ボクはこの絵本が大好き!」とくろみみくんがご満悦なのは『王さまと九人のきょうだい』のピエゾの前です。愉快痛快なイ族の昔話。子どもたちにも大人気です。

『ほしになったりゅうのきば』は最初に描かれた時と全然違う作品になっています。写真左パネルが初版の表紙、写真右パネルが現在流通している改訂版の表紙です。この初版の本を知っている人って、どれくらいいるのでしょう?

 

苗族の昔話『あかりの花』は、赤羽さんが帰国後に、唯一現地を取材して描かれた絵本です。その時撮られたアルバム写真をお借りしました(写真右)。取材の様子もエッセイから引いてご紹介しています。
※『あかりの花』も2020年の生誕110年記念限定復刊の1冊。こちらも赤羽さんの落款入り書籍を特別販売中。

 

「赤羽さんは実際にこういう景色や、人々の装束を見て描かれたんだねぇ……」と頷くくろみみくん。

現地に赴くことが難しかった時代、赤羽さんが絵本制作に資料として使われたのが「人民画報」や「中国画報」といった月刊グラフ雑誌でした。ものすごい資料の束に、ご自身によって貼られた付箋がたくさん!くろみみくんもビックリ。
「すごく熱心に丁寧に調べ物をする人だったんだ! 子どもにいい加減なものを見せられないという強い思いが伝わるよ」 byくろみみくん

くろみみくんの9階レポートは、その2に続く。

★赤羽末吉展に関するお問い合わせはこちらまで。
売場直通電話 03-3563-0730
Fax 03-3561-7350
メール narnia@kyobunkwan.co.jp