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徳間書店児童書編集部20周年記念の次なるサイン本は、今までになくハードな1冊です。イギリスの作家 ロバート・ウェストールの『弟の戦争』に、翻訳者の原田勝さんのサインをいただきました。ウェストールの作品には戦争をテーマとしたものがいくつもありますが、その中でもこれは出色の1冊。私たちの心に「これが戦争なのか」と、寒々とした恐ろしさを遺したあの“湾岸戦争”がテーマとなっているのです。テレビを通してまるでゲームのように見えた戦争――でも、あのイラクの空の下には確実に戦争によって、心も体も傷ついた人たちがいる、そのことをこの物語を通して、恐ろしいほど強く感じたことを覚えています。今、危ういところに立っている日本という国に暮らす私たちは、この本と原田さんのメッセージが伝えてくれるものをしっかりと受け止める必要があるのではないでしょうか。
そんなに厚い本ではありません。ぜひまだウェストールを読んだことがない人にも、読んだことがある人にはもう一度出会ってほしい1冊です。

『弟の戦争』ロバート・ウェストール 作/原田勝 訳/徳間書店 1200円+税